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R.I.P. SHEENA | 19531123-20150214
rokketweb/sheena4ever
追悼 SHEENA さん
1980年のYMO@武道館の前座が SHEENA & THE ROKKETS だったので、僕が自ら初めてコンサートで観たロックバンドは シナロケ になった。日本人で鮎川さん&シーナさんほど、外見も中身も最高にロックでカッコイイ夫婦は居なかったと思う。
1997年。シカゴの老舗ライブハウス Bop Shopに在シカゴミュージシャンのタツ青木さんが演奏するので早めに店に行ったら、まだ他のお客さんが居ない薄暗い店内に、鮎川さんとシーナさんがお客さんとして来ていて、気絶するほど驚いた。ローリングストーンズの全米ツアー初日がソルジャー・フィールドでのシカゴ公演で、それを観るためにシカゴに滞在されていたのだった。
当時、僕がストーンズ絡みの WEBサイトを作っていたり、鮎川さん自身も本を出すほどインターネットにハマっていたのもあって、お互いのデジカメの写真を見せ合ったりしながら、アルバム 「@HEART」の歌詞のこととか沢山お話させていただいた。何よりも驚いたのは、僕のWEB日記や僕が手伝っていたジャズ関係のページを既にご覧になっていて、僕にメールまで出すところだった、とのことだった。
その後、新宿で青木さんのライブを企画した時も、偶然同じ新宿でシナロケ結成19周年ライブがあったこともあり、交流を持たせていただいた。
だが、折角お二人が気さくに接してくれた出会いだったのに、自分の身辺のゴタゴタもあって連絡を絶やしてしまい、それが気になったまま月日は過ぎてしまった。
一介のファンの事なんて、すぐに忘却の彼方だろうとも思ったが、それから何年も経ってからのこと。
日本の友人からしばらく振りにメールが届き、仕事で鮎川さん&シーナさん夫妻に取材する機会があったので、何気なく僕の名前を出したら、よく覚えていたよ、って。「Kによろしく言っておいて、言われました」って。
自分に余裕がなかったり色々な言い訳をしながら、不義理にしたままの人間関係、昔の自分の未熟さを謝りたいのにそんな機会など逸したままの相手、上手く立ち回れなかったプロジェクト、仲良くしていたのにどうしても名前が思い出せない昔の友人、そいういったものが小さい石みたいになって積もっていき、自分の気持ちを重くしていることに気付く時がある。自暴自棄気味だった時期があった後で、それらが今になってボディーブローのように効いてくるのだ、その相手が亡くなってしまった時はなおさらに。
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SHEENAさんが亡くなられて、インターネットでは沢山のお悔やみの言葉と共に、さまざまな思い出話が綴られている。人として、真にロックな姿とは何かを改めて教えてくれる。
僕はある時、WEBサイトの昔の記事はすべて賞味期限切れになったと感じて削除してしまったのだが、
鮎川さんのところは、昔からのコンテンツをそのまま残されている。97年のシカゴのことも残っている。僕も、鮎川さんとシーナさんにお会いした夜を振り返って、デジカメの写真や当時のサイトのファイルを探してみた。
店を出た時に撮った鮎川さんとシーナさん。画像サイズは 320×240、これでも当時の最新機種(カシオ QV-70)で撮ったサイズと画質。
そして、鮎川さんがインターネットについて語っていたインタビュー記事からの抜粋。
1997年から2015年のあいだで、デジカメの画像サイズはずいぶん変わったけれど、鮎川さんが指摘するインターネットの本質はぜんぜん変わっていない。
『インターネットは、凄く無法地帯なんですね。だからゾクゾクするんです。手前のルールがきちんとつくらんとやれんに近いもんあるんですね。それは、その、なんちゅうか、ちょっといいかた難しいけど自分で誠実じゃないと、長続きせんのですね。面白半分やったり、人を落としいれようとか、結局は自分がやめなしょうがなくなるんです。ほんとの好きやから好き。おこっとるならおこっとるんでいいかも、知らんけど、あの、同じ気持ちのヤツと出会うげな、そういうあの、手段としてはインターネットは、最高ですけれども、ルールは自分でつくらないかんのですね。マニュアルも無いし法律もないし、ありそうな気もするけどやっぱナインですよ。ゲリラなんです。 だからあの誠実なページと出会うと凄く嬉しいですし、結局残っていくのはそういうページですよね。 』(テレビ東京)
『ただ残念ながら、ロックと一緒で。 「日本にロックが足りねち」思うのと一緒で、現実的なたった一人の要求が満たせるページがないんよね。不特定多数へのものをまず考えて、そんな、一人の人が知りたいものを作ってもしょうがないちゅう発想が、今ウェブの中にのっかっとるけど。そういうページは、肝心の一人がパーソナルに見た時に、自分との接点が全然ないわけ。ウェブはそうじゃなくて、たった一人でも知りたいやつがいたら、簡単なもんやん。パチパチって打って1ページアップロードしとけばすむんだで。それが日本のページにどんどん増えてくれば、もっともっと楽しいかな。』(週刊アスキー )
rokkets.comにSHEENAさんのメモリアルページが出来た。
このページは SHEENA4EVER from Chicago のパーソナルな想いを込めてアップする。そして僕はインターネットの原点に立って「パチパチ打ち」を続けていこうと思う。
鮎川さん、Keep A-Rockin' ですよね
シーナさんのご冥福を心からお祈り致します
山本 K
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